
埼玉のトランクルームで問題解決
東京等の大都市では、常に新しいイノベーションが起き、あるいは高度なビジネスモデルが集積して労働生産性が高くなる。
その結果、地方都市との間に労働生産性の格差が生じる。
このような格差が生じると、まず、生産性の高い都市の非熟練労働者が、生産性の低い都市から流入してくる低賃金熟練労働者にとって代わられる。
つまり、賃金格差の裁定が起きると、大都市の非熟練低賃金市場において、新しく流入してくる安い賃金との間で競争が生じ、賃金が下がる。
その一方で、一部の熟練高所得労働者が高度な技術、ビジネスモデルを手にし、あるいは低賃金を利用し利益を上げ、ますます高い所得を得ることになる。
結果的に、大都市では賃金の平均が下がる。
反対に、熟練労働者が流出する地方では、少ない仕事を多くの労働者で奪い合う競争がなくなり、また大都市で高額所得を得ることにより、全体の賃金が上がることになる。
やがて大都市と地方都市の賃金格差は小さくなり、裁定機会が失われる。
経済理論における裁定モデルの詳細はここで解説するが、生産性の高い都市と裁定を行う賃金の安い都市が、国内の地方でなく中国といった海外にある場合、国家間の賃金格差の解消という形で起こる。
その一方で日本国内においては、中国などとの低賃金競争にさらされる非熟練労働者は定職を奪われ、契約社員・パートタイム労働者となり、ワーキングプアを生むことである。
市場のメカニズムを理解しようとしない傍観者は、この現象のみを捉えてバブルと呼ぶ。
高度成長期(1960‐70)、バブル経済期(1986‐88)、平成のいざなぎ景気超え(2002‐07)で都市部への人口集中が起きて行われた生産性格差の裁定を通じて、この期間、結果的に大きな経済成長を実現した。
高度成長期の経済成長率は年平均約17%であり、バブル経済期が年平均6%であった。
問題は、平成のいざなぎ景気超えの年平均2%である。
2002年前後、国内での社会的人口移動が極めて少なかったことを示している。
つまり、大きな裁定行動が国内で起きなかった。
この時期に日本経済が行っていた裁定行為は、アジア、中国の低賃金労働者との裁定であった。
市場のニーズによって、新しいイノベーション、ビジネスモデルが開発される。
一部の高額所得を得る熟練労働者と、その他多くの低賃金労働者との間の格差がますます広がる。
これが現在の日本で生じている格差の根源的要因である。
このような市場メカニズムが機能する都市のビジネスモデルとしては、まず、ますます高い所得を得る都市部の高賃金熟練労働者向けの高額マンションが開発される。
それによって余剰が生じ、既存の時代遅れとなったマンションが、新しく流入してくる低賃金労働者たちに販売される。
これがバブル経済に登場する「億ション」、平成のいざなぎ景気超えに登場する「数億ション」の市場メカニズムである。
高額マンションの登場は、新しい均衡トレンドに目標を置いたマーケティング戦略である。
この経済格差の裁定が、社会的人口移動を通じてなされる。
イノベーションによって経済成長を喚起する政策は、サプライサイドの経済学者のオハコでもある。
しかし、イノベーションが実際に経済成長を起こすのではない。
これによって生じた経済格差を、低賃金労働力を利用することによってはじめて実現できるのである。
低賃金を利用するということは、言葉を変えるなら、「労働力のレバレッジ」である。
平成のいざなぎ景気超えでは、この労働力によるレバレッジを生じさせる社会的人口移動が国内で起きなかったのだ。
社会的人口移動は中国国内で起きたのである。
その市場では生産性が格段に向上し、賃金等の上昇が起きる。
これが他の地方との格差となる。
不動産投資をする場合、その投資対象となる都市の収益性が非常に重要になる。
収益性は、投資量に対してどれだけの果実を生むかという概念である。
投入量に対してどれだけの果実を得るかという点においては、生産性も同じ概念である。
生産量を得るために投入する生産要素は、大きく「労働」と「資本」に分けられる。
生産量(国であればGDP、県等であれば生産高あるいは所得)を投入した労働、資本で割ったものがそれぞれ労働生産性と資本生産性である。
通常、生産性といえば、この労働生産性を意味する。
しかしこの資本生産性、労働生産性だけでは、生産高を説明できない部分がある。
これが全要素生産性(IFP)と呼ばれ、全体の生産性から資本による部分、労働による部分を除いた残りすべての生産性を意味する。
労働生産性は、資本装備率と資本生産性のどちらか、又は両方の改善によって向上する。
設備等の資本がより大きな生産を生み、かつ、そのような高度な設備を労働者が多く持つことによって、労働生産性が向上する。
高性能のパソコンを多く装備して労働生産性を上げ、この生産性の高いところに投資を行い、高い成果を得る。
これが市場経済における投資行為となる。
そして、都市の生産性格差が新たな人口の移動を生み、都市における生産性は当然、地価経済に大きな影響を与える。
日本の都道府県別の県民所得総額と、1人当たりの県民所得金額を比較している。
所得総額では1位が東京、2位以下が神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、最下位が鳥取県であるが、都道府県別の1人当たりの所得を見ると、1位が東京で2位以下が愛知、静岡、滋賀、神奈川、栃木、大阪で、最下位が沖縄となっている。
現在、県民1人当たりの所得が最も大きい東京都と最も低い沖縄県を比較すると、約2倍の格差がある。
日本の国士の狭さ、民族としての同質性の高さ、均一的な社会政策を考慮しても、中国、インドで起きている2倍ともいわれる格差よりは、小さいものと考えられる。
このデータの期間中、都道府県の中で最も大きくランクを下げたのが岡山県である。
岡山県は、水島にあるM自動車の業績に大きく依存した産業構造をしており、そのピークは1960年代といわれている。
また、1990年にはD等が撤退し、典型的な低迷した地方都市となっている。
輸送機器産業の集積地であるが、品質問題等でM自動車が業績を落としたことがそのまま県民所得を反映し、1992年に2位であったが1997年に5位まで下がり、2004年でも3位である。
変動はない。
企業の業績が企業所得及び就業者給与に与える影響は大きい。
期間を通して1位が東京、20位が沖縄県である。
沖縄県の名誉のために注釈すれば、確かに所得は低いが、最近では人が好んで移り住み人口が増加している。
豊かさ・魅力と所得(生産性)格差とは、別の問題であることを表しているといえよう。
県民1人当たりの所得で全国都道府県別の格差の動向を見てみると、格差の形成要因が非常に分かりやすいのである。
山梨県は1982年に中央高速自動車道が開通して、その時に内陸工業団地を作り、当時隆盛を誇っていた家電メーカーを誘致した。
1985年頃、県民所得が最も高く10位近くまで上がった。
しかしその後、家電メーカーの中国への流出・国内空洞化によって低迷し、内陸ゆえに素材産業がなく、業種の分散ができなかった。
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